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Hiroki Uchida Design Lab

143日前
6/1-6/23までという長期日本出張中に、今回のメインイベントとなる、中国の蘇州 (Suzhou)へ行って来た。上海で迎えの車に乗り、西へ1時間。着いた場所は、近代的なビルが立ち並ぶビジネスエリア。

建設中の高層ビル

 蘇州文化芸術センター



巨大なコンベンションセンター(写真はほんの一部)

ホテルの部屋から見えた、中国へ行く度に驚かされるコンドミニアム群。
ここのお値段、日本円で1億円前後・・・

泊めて頂いたハイアットの吹き抜け

ホテルから10分も歩けば金鶏湖。
大きな湖だと思っていたが、地図を見るとこれでも小さい湖の一つ。



ホテルの目の前に堂々と建つこの建物が今回の目的、"新光天地"。






台湾の財閥、新光グループが日本の百貨店の三越と共同出資で1991年から"新光三越" という百貨店を台湾国内で展開しており、そこから中国本土へ”新光天地”として進出した。そのうちの一つが、水の都、蘇州に2年前にオープン。7階建てのデパートと、20数階建てのオフィスタワー。ロサンゼルスで建築を学んだ新光の社長が、自身の想いを形にした建物と伺った。




このブログにたまに出てくる、ロサンゼルスで知り合った才女のお友達、Mさん(本名、真智子さん)がこの新光グループの社長さんご家族と昔からのお友達、という事で2年前のオープン以前からずっと色々とミーティングを重ねて来た。新光天地の顔とも言える一階部分に、新光初の自社経営となるセレクトショップエリアが作られた。彼女は伊藤忠時代に培った経験と実績で、主にアメリカの気鋭なファッションブランドとの交渉、商品の目利き、輸入、そして販売の統括を任されている。日中のハーフの真智子さんは蘇州生まれなので、ここは彼女の故郷でもある。

オープン以前から、一階部分のマスタープランなど真智子さんと一緒に色々と案を出して来たが、大きな会社の様々な政治的理由で話が進まず、僕から見ると全く望ましくないレイアウトとデザインで2年間が過ぎた。その後、真智子さんと小規模や大規模の改装の話を重ねてきたが、それも進んだり止まったり・・・

きちんと契約を結ぶまでは行かない。と言い続けてきたが、いい加減面倒なので、”中国旅行だと思って、取り敢えず一回見に行くよ” という事で今回行って来た。

クライアントが大企業でも特に気負いしないのは、20代の時にGary Lee PartnersやSOMで、ドイチェバンクやマッキンゼー・アンド・カンパニー等々の大きなプロジェクトの隅っこにいさせて貰い、ミーティング等を見させて貰っていたお陰だと思う。特にSOMのSan Francisco オフィスでは、北京オリンピックに合わせて数多くの中国のプロジェクトをデザインをさせて貰った。どちらの会社も、入る時に ”将来独立する予定なので、色々と盗ませてもらいます。” とはっきり言って来たので、本当に良い教育をして貰った。有難い。

内装の一部。

本物の植物で覆われた壁。


 かなり広い、自営のセレクトショップエリア






2階から見下ろしたところ。
1階中央には化粧品ブランドのブース。


7階のレストラン街にあるイタリアの老舗、Cafe Florian。
これは驚くほど豪華に作られている。
ストロー1本までイタリアから輸入しているらしい。




2階にある和食レストラン。
副社長さんが元々三越にお勤めだった日本人の方で、
このレストランで夕食のお誘いを受けた。
店の作りはとても豪華。食事はノーコメント。


地下のフードコートのランチ時間。
運が良ければ空いている席を見つけられる、というぐらいの盛況ぶり。
飲食系の売り上げはとても良いらしい。



さてさて。店内を歩いているとあちこちで感じられる違和感。どんなに良い場所に大きな格好の良い建物を建てても、結局使うのは背の高さが5mの大男ではなく、多くはたったの1.5-1.8m位の人間。目線で見える物の形や明暗、聞こえる音や漂う香り、手で触った感触、人の動作に合った物の配置等が建物自体と不調和を奏でると、ただただ町の中に大きな空っぽの箱、又は昔のコピーが残る。だからインテリアデザインは大切だと信じている。

あまりここで問題点等を公表する事は好ましくないので詳細は省くが、フロアのディレクターの方に一階部分のマスタープランのやり直しと、新たなレイアウトの提案をさせてもらった。

今回は、折角蘇州まで来たのでその場にある物で出来る範囲の修正をしよう、という事に。社員の方の殆どは中国語しか理解できないが、中には日本語を少々、又は英語を少々、という方々がいらしたので、日本後、中国語、英語が飛び交う。真智子さんはそれら全てをほぼ完璧に話せるので、僕とも日本語で話したり、英語で話したり。中国人には中国語で通訳してくれたり。一体この人の頭の中はどうなっているのやら。

言葉が通じなくても、紙一枚あれば話が通じるのが僕の仕事。ホテルの部屋から持ってきた紙にスケッチを描いて、中国人の課長さんに見せる。

”鎖にはそれぞれライトが当たる様にした方が良いです。”

”通路の最後には必ず焦点になる物を置きましょう。”

”天井まで届かない低いパーティションを置いて、
ブランドを分ける事をお勧めします。”


不慣れな店員にバラバラに置かれてしまったブランドを、真智子さんと相談してまとめたり、人を奥まで引き込むためにジュエリーケースで道を作ったり、



女の子の服を着たマネキンを抱えると不思議な感じがしたり・・・
なんて思ってたら腕が外れて床に落ちたり・・・


倉庫に置いてあった大きなフレームを持って来てバックグラウンドにしたり、


適当だったスポットライトの向きを全て整えたり、
言葉が通じないので親指を立てて”Good!" したり、


5時間程バタバタと動き回った。店長さんにもお褒めの言葉を頂けた様で、まぁ、取り敢えず今回のつぎはぎの修正はここまで。この修正と関係合ったかどうかは分からないが、
セレクトショップエリアのこの日の売り上げは、普段の2倍だった。色々と問題は起こるだろうけど、今後、本格的な改装案を提出して前に進める予定にはなっている。


最後に、真智子さんに、蘇州の昔の街並みが残る場所に連れて行って貰った。

地下鉄は日本より綺麗。
テレビ画面に、好きな人への愛のメッセージを流して貰えるらしい。

建物は古くて表向きは情緒があるのだが、観光地化されているので物凄い人。


蘇州が”東洋のベニス”と呼ばれるゆえん。


暗くてあまり綺麗に映っていないが、真智子さんと。


”もう少し暗くなると、木がライトアップされるよ 、濃い緑色に・・・”
と言うので、
中国特有の不自然なライトアップを是非とも見たくないので、
裏道に入って普通の人々の生活の中を歩く。

これ、昔ながらの家屋に作られた本屋+カフェ。渋い。



裏道の所々にある、昔使われていた井戸。


3日間の中国滞在の後、横浜に泊まった。生まれは東京だが、育ったのは横浜。
よい。横浜はよい。異国情緒と文化を肌で感じられる。ギシギシしていないし、きちんと風が流れている。



今回は日本にいたのが長すぎた。知らないうちに多くのストレスを感じていたらしく、体調をかなり崩した。ロサンゼルスに帰って来て直ぐに予定されていたアトランタへの出張をキャンセルし、しばし休息。

さっき散歩してきた近所の湖。やっぱりここが一番ホッとする。
暫くここで、英気を養う。




274日前
ロダンぜルス、ダウンタウンの中心から東に向かうと、リトル東京がある。それを過ぎると、10年前までは昼間でも足を踏み入れるのを躊躇ったが、今ではお洒落なカフェやコンドミニアムが並ぶ Art District がある。その中心に現在新たな洒落たショッピングモールが作られているのだが、その道を挟んだ真向かいに、昭和初期に開業し築地でも名をはせる、とある日本の魚屋さんのLAオフィスがある。並びはBlue Bottle Coffeeや ZINCというこれまた洒落たレストラン。

一見倉庫の様にも見えるが、景観を壊さない様に普通の通りに普通にあるところが格好良い。



周りの建物はこの様な感じ。この雰囲気の中にオフィスや店舗が入っている。


魚屋さんのオフィスの一階部分を、レストランに改装するプロジェクトのお話を頂いた。もともと雰囲気のあるこのエリアで、コンクリートやレンガ造りの建物の中になんとなく格好の良い物を作るのはそれ程難しくない。インダストリアルっぽい雰囲気を出すのも簡単。それはBlue Bottle Coffeeも隣のZINCもやっている。上手く”日本” という事と、”漁師” という事を間接的に表現できないものか、と夜はぐっすりと眠りながら考え続ける日々。

既存の天井の上には、立派なコンクリートの梁。



この梁が、綺麗な升の目を作っていた。
綺麗だ。
綺麗だ。
綺麗だ...


壊したい・・・



二つの入口からの流れを考慮しながら、グリッドを壊すことにした。まとまった中に全く違う要素の物を落とし入れる事により、新たな調和が生まれてお互いが引き立つ。

大きく力強いマグロを扱うこのクライアント。安易な ”デコレーション” になりがちな直接的なイメージを避けながら、力強さの中に日本の伝統を持ち、ロサンゼルスのArt Districtという場所に、主張し過ぎずに存在し、そして何より、アメリカ人に訴えかける物を作りたい。



木を使って色々と試してみたが、何か大人しくて、違う。



日本特有の繊細さは、それはそれでもちろん素晴らしいしアメリカ人にも受けは良いと思う。ただ、今回は海の男、”漁師”。

そこで材木屋へ行き色々な木材を見た後、木の厚みや幅、支柱の太さなど、最初に考えていた物よりも大きな物にする事にした。また、木の間の間隔やデザインにも変更を加え、特徴のある物に。そして、予算内に収まるかは不安だったが、くぎを使わない日本の伝統、”ほぞ接ぎ” でこれを作れないかと考えた。





細かなところに入る前に、まずはこのレイアウトでロサンゼルス市のBuilding and Safety Department とHandicap Department , Fire Department, Planning Department, Redevelopment Departmentからそれぞれ建築許可を取るための図面の作成、と同時に保健所への提出用の図面、そしてMechanical(空調)、Electrical (電気)、Plumbing (配管) のエンジニアにそれぞれの許可を取ってもらう事に加え、構造エンジニアに外壁の一部撤去と新たなサポートの計算書を作って貰う。


と、ここまで来て、この場所が日本政府のとあるプロジェクト用に又貸しされる事が急遽決定し、レストランのプロジェクトは中止に・・・

ま、そんな時もある。頂く物は頂いて、アイデアはまた何か他の時にでも使うとしよう。

とりあえず、今晩は寿司だ。








362日前
先日完成させた東京のCOMME PARIS(comme-paris.com)とのコラボで, Hiroki Uchida Design Labが主催するアートスタジオ、”Studio Lia" のクラスとしてCookie House Projectを、11月12日と19日に開催した。

一般的に呼ばれるヘクセンハウスやジンジャーブレッドハウスなら、ウェブ等を見て似た物を作れば良いが、それでは自己表現にならない。我々が行うクラスは、型も完成イメージも無く、そこにある材料を用い、自分の想像力とアイデアで形を作って行く事が一番の目的。


”これじゃ厚すぎる” ”もうちょっと固めに” 等、何度も厚さ、サイズ、焼き加減をテストしながら、長方形のクッキーを一枚づつ焼いてもらった。材料はコムパリのサブレと同じ物なので、つまみ食いが止まらない・・・


コムパリ定番のカヌレ、フィナンシェとマドレーヌ。これらを自由に使って作っていく。
接着剤となるアイシングも、混ぜ物をする事で出来るだけ早く、堅く固まる様に工夫してもらった。特に子供たちは固まる前に次々と重ねて行くので、それに対応する必要がある。



サイドで用意した棒状のお菓子を使って、壁の支え方等の見本や、カヌレを斜めに切って煙突にするやり方等、幾つか見本を作成。




小学校低学年の子たちは、お母さんの手を借りながら自分の好きな形を作っていったが、大人と比べると、迷いがない上に発想が自由なのでとにかく早い!






面白いアイデアも沢山。









 


 少しだけ手を貸しながら歩き回っていると、出来上がって来た物にそれぞれの作者の性格が表れていて面白かった。細かな部分に拘る人、同じ物をどんどん作って重ねていく人、どの重ね方が良いか迷い続ける人。どれも全て”自分”で、出来上がった物全てが正解。







並べてみると、お菓子の町が出来上がった。





決まった形を作るために用意されたパーツを組み立てて、人と同じ物をどれだけ綺麗に組み立てられるか、という考え方は、手の器用さを比べているだけで機械にもできる。きちんとした形の物が出来上がると、完成度が高く思えるので達成感は確かに得られるが、それだけでは応用は効かなくなる上に、ゼロから何かを作りだす脳が育たない。それは、大人でも子供でも一緒。

また、”これが僕だよ” ”これが私だよ” と作品を通して自分を表現する事が大切。アートという物は、そういう物だと思う。

それが上手く出来たと思えても、下手だったと思えても、どちらでも良いから自分独自の物を作る機会を、今後も提供していきたい。ちなみに下のリンクは、カリフォルニアの我々のオフィスで7月に5日間連続で行った、紙で自分の家を作る”DREAM HOUSE PROJECT”。お菓子の町と比べてみると面白い。

今回ご参加下さった皆さま、有難う御座いました。日本とアメリカを繋ぐプロジェクトなど、今後も色々と考えて行きます。また是非ご参加ください。



Hiroki Uchida Design Lab
Studio Lia (www.hirokiuchidadesignlab.com/studiolia.html)





1年以上
さて、田園調布に移転したコムパリ。お店は既にオープンして約2か月が経つが、”プロセス” という物はやはり面白いと思うので前回の続きを紹介。

大きな工事は業者さんにお願いし、仕上げ等は 9月に日本に来て手作りをした。





 工事業者さんの仕事はここでほぼ終了。白金店で使用していた床板、ドア等、どの様に再利用するかは決めていなかったが、取り敢えず全て運び込んでおいてもらった。



ペンキ塗りはコムパリの皆さんにも手伝ってもらって、グレーに白をマーブル状に混ぜ、わざとムラが出る様に塗った。色を重ねる事で平面に深みを出し、時間と共に変化する日の光が自然に様々な表情を作りだしてくれる様にした。木の枠は、木目を殺さない様に気を付けながらステインをし、深い色に調節。


以前の白金店で使用していた天井まで届く大きな白い棚を、なんとかして店の一番奥の壁に設置したかったので、取り敢えずバラしてみた。そして、


留めたり、



切ったり、



蹴ったり、



すると、何という事でしょ~ 大きな白い棚は、お店の奥に包まれるかの様に、ものの見事に収まるではありませんか。

匠は、既に取り付けてあったシンクすら加工したドアで囲い込み、棚の一部に見える様にしてしまいました。それだけではありません。高さを調節するためにベースキャビネットの下部を取り外し、それにより構造上弱くなってしまった個所を、枠組みを逆さにして上の棚と留める事で補うなど、様々なアイデアで一つづつクリアーして行ったのです。人は彼を、”ただの工作好き” と呼びます。






貰って来た大きなドアは、コンセント用の穴を開け、切断したり枠を外したりして、殺風景だったトイレの奥の壁に取り付けた。




前の店舗で使っていたドアは、足の上に乗せてガラスのテーブルに。



花のシャンデリアは、床に置いてある状態が綺麗だったので、コードの先をコンセントの差し込みプラグに取り換えてガラスのテーブルの下へ。





そして、オムライスを前に力尽きる。






ここまでをなんとか数日で終わらせ、急用の為アメリカへ急遽帰国。




ドリルも金槌も忘れていつもの海で癒されていると、オーナーの岩井さんからLINEが。


”これ、レジにいいかなと思って貰って来たんだけど、思ったより大きかったかもー。”


軽快な着信音と共に携帯の画面に現れた、恐怖の大きな水色の台。

一気に ”店” 感が出てしまった・・・


まぁ、オーナーが気に入った物がプロジェクトの途中で現場に突然登場する事はたまにあるけど、貰ってくる前にせめて大きさは測って・・・

Photoshopで色を変えてみたり、



 形を変えてみたりしたが何も良い案が出ず、 取り敢えず寝る事に。



次の日、朝食を取りながら思いついた案をペーパーナプキンに殴り書きし、写真を撮ってLINEで送信。


携帯の画面を通して店員の人たちに机をセットしてもらい、


うん。これならよし。”店” という感じが消えて面白くなったと思う。


奥の棚と天井に吊るすシャンデリアも、Photoshopで絵を作り方向性を伝えた。





そして、何とか9月の終わりに営業開始。ただ、店舗自体は納得出来るレベルには達していない。始めた事は、最後まで。という事で、11月1日に再度日本へ。



着いた次の日から、再びドリルと金槌を手に大工仕事。

棚の中のディスプレイとライティングを整え、







以前の店で使っていた床板は表面を磨いて綺麗にし、のこぎりでサイズに切って壁のアクセントとして再利用。






一番の課題は、始めから天井に付いていた10個の丸いダウンライト。


一般によく見る物で、現実味があり過ぎる。これは、新しいコムパリのコンセプトには合わない。勿論高いお金を出して綺麗なライトと取り換えれば良いのだけど、その程度の事は誰でも出来る。

日本にいても、アメリカにいても、こういう時はホームセンターと100均へ行き、万引きの視察と勘違いしている店員を引き連れながら、店内を数時間うろうろする。

今回は100均を数店回った末、かわいいプラスチックの容器を10個、業務用クリップ、ファイル用の丸い金具、そして針金を買ってきた。総額1300円+税。





 夜、暗い中で光を通すと思った通り綺麗だ。



容器のふたを本体と接着し、金具を通す穴を開ける。



自作の金具を使い、ダウンライトの中に吊るしてみる。電球はLEDだが、全く熱を発しないわけではない。特に電球の胴体のプラスチック部分は素手で触れない程熱くなる。熱はダウンライトのシェード上部に開いている穴から抜ける様になってはいるが、接着した容器の中の空気が膨張して蓋が外れて落ちたり、容器にヒビが入ったりしな様に、空気が抜ける為の小さな穴も開けておいた。



なかなか良い。反射した光が店内を明るくし、普通のダウンライトが一気にアップグレードされた。

ただ・・・

この色は、求めていた物ではない。白く明るく輝く雰囲気はいらない・・・

という事で、まずはLED電球を”昼白色”からオレンジがかった”電球色”に全て交換。さらに、
金色のスプレーで容器を塗装し、グレーと白のペイントで少し汚しを入れ、最後に上からまた軽く金色のスプレーを施す。


しかし、このままでは光が通りにくく店内がとても暗くなってしまうので、乾いた後に金だわしでゴシゴシと表面をこすり、わざと傷を付けながら色を落とす。

と、こんな感じ。表面の色は落ちるが、溝に入った色は残る。手前はまだ途中で、奥が完成品。





これなら全体の雰囲気と合う、我ながらなかなか良いアイデア。そして何より、交換したLED電球10個のコスト(計1万円)を除けば、スプレーや接着剤を入れても材料費は2000円程。絶対にプラスチックとは分からない。ここに書いてばらしちゃったけど・・・



先週、ショートフィルムの撮影にも使用された。店員役の子がとてもかわいかったのはさておき、天井のライトが良い味を出してくれている。



明日最後の写真を撮って、今回のプロジェクトは完成。20日にはアメリカに帰国。どんなお店も、普段の使い勝手によって色々と変わって行く。そこで働いている人は、その場に慣れてしまうので細かな事に気が付かなくなってしまう。出しっぱなしの段ボールや、点灯するのを忘れられたライト。無造作に壁に貼られたお知らせの紙や、色を間違えて取り換えられた電球。それらは確実にブランドのイメージを壊し、初めて来店されたお客さんに不本意な印象を与えてしまう。

ここから先は、お店で働く人次第。


Hiroki Uchida Design Lab
www.hirokiuchidadesignlab.com
1年以上
日本の田園調布に来週オープン予定の、フランスの焼き菓子屋さん、コムパリ。以前は白金にあり、そこからの移転が決まった時から、オーナーの岩井さんと何度もLINEで話し合いをして来た。アメリカと日本の時差を上手く使うと、片方が寝ている間にもう片方が物事を進めておく、という様に、止めることなくプロジェクトを進める事が出来るので、実は便利だったりする。

以前、銀座にデザインさせて頂いたHot Studio All5 (ブログ記事)から数年開けて、20年の経験の中で日本国内では2つ目のプロジェクト。一般受けしそうな店舗を作るのはそれ程難しい事では無い。綺麗に ”装った” 店ばかりが立ち並ぶ東京に、手作り感のある、”店舗” というよりは、ちょっと怪しさすら感じる ”工房” を作ろうと話がまとまった。海外に住んでいる僕にとっては、自分の手を直ぐに加えに行けないので少々歯がゆく感じるやり方ではあるが、今回は試しにやってみる事にした。アメリカ国内のプロジェクトでも、こんなに自分の手で作った物はなかった。

まずは、コンセプトを固めるために、物語を書く事から始めた(ブログ記事)。頭の中にあるイメージを、人に伝えるための最初の方法。


挿絵用のスケッチも描いた。この時点では、店内の大まかなイメージしか頭にはない。


同時進行で、現場の既存状況を工事業者さんとLINEを通して確認し、新たなレイアウトを作成。いつも困るのは、日本語で建材の名前や建築用語が分からない事。業者さんに教えて貰い、勉強させて頂きながら進める。




 店内の仕上げに関しては、かなり迷った。作り込んだ感じは欲しくない。どこまでやったらやり過ぎなのか、どこまでやらないと思い描いた物にならないのか...




さらに同時に、新しいコムパリのイメージとして、Family Crest (家紋)を加える事を提案し、オリジナルのデザインを考案。




"COMME PARIS"の "C"を三日月に、"P" を帆船に見立て、左右の羽で夜空へ飛び立つ、童話にでも出てきそうな、”三日月の夜の新たな船出” を表してみた。冠は、お店の看板商品のカヌレ。帆船の梶は泡だて器。バックグラウンドはフランスの国旗に見えるが、色も順番も向きも違う、コムパリの旗。



日本の看板屋さんに、外の吊るし看板の見積もり依頼をしても返事が来ない。また、返事が来ても、納期が長い上に値段が高すぎる。

「じゃあ、いいよ。作るから。」

やった事は無いが、出来ない理由が見当たらない。という事で、看板も作成。

まずは裏面から。文字を印刷した紙を貼り、焼きながら木に印をつけて行く。

その後、印を焼きながらなぞり、 "COMME PARIS" という文字のアウトラインを書き、文字の内側を全て焼いて行く。

木をステインし、色合いを整えながら木目を出す。これには、多少の防水効果もある。

裏面はこんな感じ。

コテの先端の太さを変えながら、 表も同様に焼いて線を出して行く。

次に、立体感を出す為に、小学校以来の彫刻刀で彫って行き、

 アクリル系のペイントで色を入れる。単色で塗ると印刷の様で味が無いので、絵画の様に色を混ぜながら塗り、筆の跡も残した。

最後は、両面に2回、ウレタン製の防水コーティングを施し、乾燥させたら完成。数日かかったが、やはり手作りには独自の味があると思う。

8月半ばは、こんな感じで進んだ。

つづく。


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Hiroki Uchida Design Lab

作者:Hiroki Uchida Design Lab

Hiroki Uchida Design Lab

ロサンゼルスのインテリアデザイン会社

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